平成28年7月28日(木) 夕刊フジ【伝統と創造】憲法改正で民主主義は強化される 民進の自民批判はおかしい

7月22日、私は首相官邸を訪れ、菅義偉官房長官に面会し、自民党が取りまとめた新たな経済対策を申し入れた。中長期的な観点を重視し、「未来への投資」を意識した内容だ。具体的には、産業構造改革、働き方・労働市場改革、人材育成の一体改革に取り組むことを明記した。

新婚生活支援などの少子化対策や保育所整備をはじめ、農産物の輸出体制の強化、中小企業の資金繰り支援など充実したメニューが並んでいる。新たな産業の創出、「イノベーション」を生み出せるような施策も盛り込だ。
アベノミクスの3本目の矢である「成長戦略」を推進する具体策であり、赤字国債の発行を前提としていないのも特徴だ。詳細はぜひ党のホームページで確認してほしい。わが党は、政策を迅速に実行して国民の期待に応えていく。

さて、参院選を経て、憲法改正に焦点が当たり始めている。衆参で与党を含む改憲勢力が「3分の2」を超えたことが大きな要因だろう。国民の意識の中に憲法改正が入りつつあるのは喜ばしいことである。
この機運を逃してはいけない。衆参で安定した議席を得ている状況だからこそ、落ち着いた議論ができるからだ。
憲法改正は自民党の結党以来の党是であり、悲願である。もちろん、自民党だけが取り組む話ではない。今後、国会の憲法審査会を中心に与野党がしっかりと議論を積み重ねるべきだ。賛成、反対は別にし、国民の議論の深まりも重要だろう。

一方、ここで気になるのは、憲法改正をめぐる野党、特に民進党の姿勢だ。
「安倍首相のもとでの憲法改正議論は憲法の破壊」「3分の2阻止」と公言していた民進党の岡田克也代表が、参院選後に突然、条件付きで憲法改正議論の容認に転じたのだ。
これはずいぶんぶれたとしか言いようがないが、岡田氏が議論に前向きであるならば大歓迎だ。入り口でケチをつけることはやめて、具体的な議論に入ろうではないか。

わが党の「憲法観」に対する民進党の批判に関しては、議論をねじ曲げたおかしなものが多い。岡田氏は、われわれに「押しつけ憲法論」を撤回せよと言っているが、日本の主権が制限されたGHQ(連合国軍総司令部)占領時代に現憲法が制定されたのは、紛れもない歴史的事実だ。

また、わが党は立憲主義を正しく理解しており、平和主義、国民主権、基本的人権の尊重など、憲法の大原則は変えない。憲法制定から70年が経過しており、時代に合わせて、憲法改正を果たすことで、日本の民主主義がより強くなるのは明白だ。与野党で、具体的かつ建設的な憲法論議を行っていきたい。
(自民党政調会長)