平成28年7月14日(木) 夕刊フジ【伝統と創造】民進の農業政策はデタラメ

今回の参院選で、自民党は安倍晋三首相が目標に掲げた「与党で改選過半数」を達成した。国民が安倍政権の継続、アベノミクス推進を望んでいるのは明白だ。

 安倍首相は早速、石原伸晃経済再生相に経済対策の策定を指示した。与党としても早期に提言をまとめることになる。安倍首相は会見の中で「未来への投資」を強調されており、一時的な消費喚起ではなく、雇用、社会保障、人材育成の分野を中心とした改革を加速させる、成長戦略に資するメニューを用意したい。

 さて、与党で改選過半数を確保したとはいえ、自民党の単独過半数には至らなかった。特に「1人区」では、自民党候補が予想以上に競り負けた。率直に受け止め、分析しなければならない。1人区で議席を取れなかった11選挙区を点検すると、東北や北信越などの農業県が目立つ。私の実感だが、これらの選挙区ではTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対するわが党の考え方や取り組みが浸透していなかった可能性が高い。そもそも、TPP交渉参加を最初に表明したのは民主党政権、菅直人首相のときだ。その際の菅首相の姿勢は、何の留保もない、真っ裸で交渉のテーブルにつくというものだった。

 そこで、野党自民党で反対運動が巻き起こり、何を守るかを明確にし、政権奪還の選挙では「聖域なき関税撤廃ではない」ことを公約に闘い、安倍首相が聖域なき関税撤廃ではないことを確認したうえで他国より遅れて交渉参加した。そして2年にわたるタフな交渉の結果、どの国よりも農業の関税は守ったのだ。

 さらに安倍政権はTPPを活用し、近隣アジアの海外市場をわが国の経済市場に取り込む「攻めの農業」を展開している。選挙戦では、農林水産物の「2020年輸出額1兆円」目標を前倒し、輸出を農林水産業の新たな稼ぎの柱とする公約を問うた。

  農業者の目線に立った農協改革でも成果を出してきた。しかし、それらの真意、実績が十分に伝わっていなかったようだ。一方、民進党は、財源の裏付けのない戸別所得補償の復活、法制化を主張しているが、これほどデタラメな政策はない。民主党政権時代、戸別所得補償の財源がなく、土地改良予算の7割を切って財源にした。民主党は政権を取っていた時代に財源のめどがたたず、法律にできなかったものを、野党に転落してから法律にするとデタラメをいい、農業票を取り込んだのだ。

  われわれは、農家の方々との意見交換を通じ、もっと政策の浸透を図る必要がある。選挙結果を受け、多くのメディアが「改憲勢力が3分の2になった」と報じている。もちろん自民党は立党以来、憲法改正が党是であるから、憲法議論が注目されることは喜ばしい。まずは、国会の憲法審査会で活発な議論をしていきたい。

 最後に、自民党は14日告示の都知事選で、増田寛也元岩手県知事を推すことを決めた。増田氏は「東京一極集中」に警鐘を鳴らし、東京から地方を応援する新しい方向性を打ち出した人物だ。期待している。(自民党政調会長)