平成28年1月7日(木)夕刊フジ【伝統と創造】政策で結果を出す1年「慰安婦問題」合意は東アジアの利益

明けましておめでとうございます。通常国会が4日に召集され、永田町は「おとそ」気分に浸ることなく、2015年度補正予算案の審議に入った。今国会では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連の条約なども議論することになる。政府・与党一丸となってこの国会に臨んでいきたい。

さて、昨年12月28日、日韓最大の課題である「慰安婦問題」について歴史的な合意がなされた。今回の合意により、日本は予算10億円で基金を創設し、元慰安婦を支援する。韓国はソウルの日本大使館前の慰安婦像の撤去について努力することで合意し、それにより「慰安婦問題」が「最終的かつ不可逆的に解決」されることとなった。

東アジアの安全保障において、韓国が担う役割は重要だ。今後は日韓の安全保障上の協力を進めていくべきである。北朝鮮の核・ミサイルに関する対話、地域情勢に関する対話、一度韓国側の事情で進まなかったインテリジェンス協力、エネルギー対話を進めるための環境が整ったといえるからだ。今回の合意は単に日韓のみならず、東アジア全体の利益につながるのだ。

昨年を振り返ると、安倍晋三政権はアジア太平洋地域をめぐる安全保障、経済の両分野で大きな成果を残した。平和安全法制の成立と、TPP大筋合意により、この地域に安全保障でも経済でも「法の秩序」を確立する重要な布石を打ったといえる。自民党としても、この困難な2つの課題に政府・与党一体で取り組み、成果を出せたと自負している。今年も「責任ある改革政党」として、政策で結果を出していきたい。

今年は参院選を控えた非常に重要な年である。1月24日には沖縄県宜野湾市長選、4月24日には衆院北海道5区の補欠選挙もある。安倍政権として、ひとつひとつ、確実に勝利しなければならない。

参院選の公約づくりも本格化させる。公約の骨格は、やはり経済政策だ。

株価をみればアベノミクスの経済効果は歴然としており、税収も増え続けている。国民の「デフレマインド」も克服に向かっている。アベノミクスは第2ステージに入っており、安倍首相が提唱した「新3本の矢」を着実に実行していかなければならない。決めるべきことをきちんと決めていく−これが安倍政権だ。参院選に向け、政権の決断力、実行力をしっかりアピールしていきたい。

課題は山積している。2017年の消費税10%への引き上げと同時に導入する軽減税率に関しては、6000億円の恒久財源を16年度中に見つけなければならない。一方、財政再建も待ったなしだ。安倍内閣が昨年6月に閣議決定した「骨太の方針2015」では、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標を掲げた。財源確保と財政再建はいずれも難題だが、歳出・歳入改革を加速させ、改革政党として結果を出していきたい。

(自民党政調会長・稲田朋美)