平成28年1月21日(木)夕刊フジ【伝統と創造】核実験、拉致を平然と行う国…われわれは決して目をそらしてはいけない

北朝鮮が核実験を行った。国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、断じて容認できない。国連安全保障理事会による強力な制裁決議の採択を目指し、国際社会が一致したメッセージを出すことが何よりも大事だ。日本は今年から安保理の非常任理事国である。積極的に議論をリードしていきたい。

北朝鮮は、核兵器に対しては特別な思いで開発しているようだ。昨年夏以降、プルトニウムの抽出や核実験場でのトンネル掘削工事などを実施しており、兆候はもともとあったといえる。日本海を隔てた向こうに、核実験や弾道ミサイル開発を堂々と進め、日本人の拉致を平然と行ってきた国がある。この厳然たる事実からわれわれは決して目をそらしてはいけない。

昨年末、慰安婦問題をめぐり、日韓両政府は「最終的かつ不可逆的に解決」することで合意した。日韓が未来志向の関係を結ぶことは東アジアの安定につながる。今回の合意は、北朝鮮の核実験直前となったが、結果的にいいタイミングだったと思う。

今後は、防衛秘密を共有するために必要な日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を急ぐべきだ。民主党政権時代の2012年に交渉が途絶えたが、安倍政権として前に進めていきたい。北朝鮮の脅威に対する「備え」になるのは間違いない。

拉致問題に関しては、自民党の拉致問題対策本部(本部長・古屋圭司衆院議員)が昨年6月に提言をまとめている。14年7月に日本政府が解除した制裁措置のすべてを再び科し、送金停止などの制裁をさらに強化する内容だ。政府・与党はこの提言に基づいて、拉致問題に対応していく。北朝鮮は日本との協議の中で、拉致被害者の再調査を行うと言っていたが、全く約束を履行しなかった。そのような国に対しては圧力をかけていくしかない。

さて、わが党の宮崎謙介衆院議員が取得を表明した「育児休業」が話題となっている。安倍政権が重視する「女性活躍」や「男性の育児参加」を議論するきっかけとなった意味では、宮崎氏の発言には大きな意義があった。

ただ、国会議員は普通のサラリーマンとは異なり、『一国一城』の主である。いわば「経営側」「事業者側」の立場にあるのが実態だ。勤労者と同様に育休を取得するというのは国民の理解を得にくいのではないか。

国会では、15年度補正予算案などの審議が行われているが、残念ながら野党の「揚げ足取り」質問が目立つ。安倍首相の発言を曲解したり、本質的ではない部分を批判しているが、もう少し実のある議論をしてほしい。

(自民党政調会長・稲田朋美)