平成28年2月18日(木)夕刊フジ【伝統と創造】世界経済大変動もアベノミクス推進は不変 デフレ脱却に向かって前進

「育休」取得を宣言していた宮崎謙介氏が、不倫の事実を認めて議員辞職した。宮崎氏は記者会見で「人間としての欲が勝った」などと釈明したが、結局、育休取得は何だったのか、と言わざるを得ない。非常に残念である。わが党の衆院議員のうち、約4割は2012年初当選組である。彼ら彼女らは、幸か不幸か、厳しかった野党時代を知らない。

一方で、われわれ野党経験組は、政権から転落し、地獄を見た。民主党が崩れていく様子もつぶさにみてきた。政党・政治家は、常に緊張感を持ち、謙虚でなくてはならない。わが党の若手も宮崎氏の例を他山の石としてほしい。

さて、日本経済の先行きを不安視する声が出てきている。日銀が、わが国では初めてマイナス金利付き量的・質的緩和を決定し、デフレからの脱却とアベノミクスの後押しになることを期待したのだが、先週は株価が大幅に下落し、円高も急速に進んだ。しかし、株価や為替の変動に一喜一憂することなく、世界の経済状況を分析しつつ、世界経済に影響されることのない、強い経済、日本経済の再生のための改革を進めていくことが必要だ。

私は、日銀のマイナス金利政策は間違っていないと思っている。ここで改めて強調したいのは、アベノミクスの推進という政策軸は、今後も不変だということだ。政権奪回後、安倍政権の3年で、実体経済をみれば、企業収益は過去最高、有効求人倍率は47都道府県で上昇して過去23年で最高、110万人以上の新たな雇用が生まれるなど、着実に日本経済の足腰は確かなものになってきている。

今回の円高、株価下落は中国経済の減速、中東情勢の不安、原油安などが原因だとされているが、円高は、日本の通貨に対する信頼のあらわれであり、資材を輸入している地方の中小企業にとってはありがたいことでもある。原油安は、エネルギーを輸入に頼っているわが国経済にとって大きなメリットともなっており、市場の動きに右往左往する必要はない。

もちろん、アベノミクスは道半ば、デフレからの脱却もまだ完全とはいえない。その意味で今年は日本経済の正念場になる。デフレマインドに後戻りすることなく、世界経済の大変動のなかで、産業構造改革と雇用改革、人材育成を大胆に進めていかなければならない。小手先の政策では追いつかないという時代認識が必要である。

今月下旬には、中国・上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。各国と緊密に連携、協調していくことが重要だ。

繰り返しになるが、アベノミクスを推進する姿勢に変わりはない。日本経済は着実にデフレ脱却に向かって前進している。正念場を迎えた日本経済の真の強化のために、政府・与党一丸となって予算案の早期成立や雇用などの根本的な改革に邁進(まいしん)していきたい。

(自民党政調会長・稲田朋美)