平成28年3月3日(木)夕刊フジ【伝統と創造】政治をバカにしている「民維合流」大企業は賃上げの努力を

民主党と維新の党が合流し、新党を結成することになったらしい。そもそも、維新の党の代表も幹事長も、民主党を「除名」されているが、どういう大義で「除名」した人々と「復縁」するのか、何がしたいのか国民に説明すべきだ。今から党名や党の綱領を考えるらしいが、「除名者」と「復縁」して「看板かけ替え」て、何をやるかはこれからというのは、あまりにも政治をバカにしている。単に選挙に勝ちたいがために所帯を大きくし、国民の信頼を失った「民主党」という看板をかけ替えたいだけの「野合」は、ますます政治不信をまねくだけだ。

さて、国会では来年4月に予定されている消費税増税をめぐる議論が活発となってきた。

安倍晋三首相は2014年秋、消費税増税を17年4月に延期することを決断した。景気条項を削除し、「リーマン・ショックや東日本大震災のような重大な事態が発生しない限り、1年半後には増税する」という不退転の決意で衆院を解散し、国民の支持を得た。言うまでもなく、この方針は今も変わっていない。20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化し、社会保障改革を実行するためには、消費税増税は避けて通れない。

そこで、現在の経済情勢を悲観的に見る向きがあるが、アベノミクスにより、日本経済は確実に再生している。しかし、道半ば、中国経済の減速や中東情勢の不安など外的要因の影響は注意深く見守る必要がある。一部で補正予算を求める声も出ているようだが、現時点でそういう状況にあるとは思えない。今、最優先で取り組むべきは、15年度補正予算を早急に実施し、16年度予算案を早期に成立させることだ。さらに、落ち込んでいる個人消費を回復させることだ。14年4月の消費税増税による落ち込みからまだ回復していない。そのために必要なことは賃金の上昇である。

残念なことに、大手銀行などで、ベースアップの要求を見送る動きが相次いでいる。日銀のマイナス金利政策による収益悪化を懸念しているといわれているが、あまりにも過剰反応だ。

そもそも、当座預金約260兆円のうち、マイナス金利が適用されるのは約10兆円である。一部の信用金庫では、国民の不安を払拭するために、むしろ預金金利を引き上げる動きも出ている。大企業は賃金を上げ、国民の購買意欲を高め、民間投資を増やす方向に努力してほしい。

大切なことは金融緩和だけで日本経済は再生しないということだ。アベノミクス3本の矢の2本目、3本目もしっかり推し進める必要がある。効果のある事業に財政出動し、大胆な改革を進めることで、日本経済の潜在成長力をしっかりと上げていく骨太の政策を党内で議論していきたい。 (自民党政調会長・稲田朋美)

一方、日本経済が壊れてもなお、増税をするというのは本末転倒。そのような場合に消費税増税の延期を検討するのはむしろ、当然である。