平成28年6月2日(木) 夕刊フジ【伝統と創造】民進党のような無責任なことはしない 増税延期は断固たる覚悟がある

5月26、27の両日行われた伊勢志摩サミットは、安倍晋三首相が強いリーダーシップを発揮し、議長国として責任を果たした。

印象的だったのは、各国首脳が静謐(せいひつ)で厳(おごそか)な伊勢神宮を訪れ、安倍首相が出迎えたシーンだ。私は海外で講演する際、「遷宮」を行う伊勢神宮をはじめ、日本の「神道」の世界について説明してきた。とりわけ、深い緑に覆われた伊勢神宮は神秘的で、まさに究極の「クールジャパン」である。サミットの舞台として世界中に発信されたことは実に喜ばしい限りだ。実際、好意的にとらえた海外メディアは少なくなかったようだ。

サミットでは「世界経済」が最大のテーマとなり、安倍首相は「リーマンショック以来の落ち込み」との現状認識を示した。そして、各国の事情を踏まえた機動的な財政出動、構造改革を加速することで先進7カ国(G7)首脳が足並みをそろえた。2008年のリーマンショックの教訓に基づき、危機回避に向けて各国が協調したことは大きな収穫だった。

サミットに先立ち、5月25日には日米首脳会談が行われた。安倍首相は、米軍属が逮捕された沖縄県の女性遺棄事件に関し、オバマ米大統領にしっかりと抗議し、日米地位協定についても「あるべき姿を不断に追求していく」と述べた。日本の立場を明確に主張したと思う。

そんな中、オバマ氏は米大統領として初めて広島を訪問した。サミット以上に国民の注目を集め、日米同盟は新たなステージに入ったのは間違いない。被爆した側と原爆を投下した側の首脳が一緒に広島に地を訪れ、祈りをささげたことは非常に意義があった。「核廃絶」のメッセージを行動で世界に示せたのではないか。

オバマ氏の広島訪問は、日米両首脳の信頼関係のたまものだ。安倍政権は平和安全法制を成立させ、日米同盟をかつてないほど「深化」させた。安定した安倍政権だからこそ、歴史的な訪問が実現したのだ。

さて、サミットの議論を受けて、安倍首相は消費税率引き上げを2年半延期することを決断した。負担増を延期するのだから、予定していた社会保障の充実も我慢するのは当たり前であり、赤字国債で充当するなどという民進党のような無責任なことはしない。

2年半延期する間に、世界経済の好転(リスク解消)を無為に待つのではなく、社会保障をはじめとする諸々の構造改革に果敢に取り組み、日本経済の体質強化にしっかりと取り組んでいきたい。その断固たる覚悟をもって、来たるべき参院選において国民の皆様の支持を得ていきたい。 (自民党政調会長・稲田朋美)